奥多摩の山々に囲まれ、のどかな空気が流れる青梅市小曾木。
ドライブや散策にぴったりのこのエリアに、地元の人々や観光客に愛されてきた一軒の食事処があります。

それが、今回ご紹介する「多喜山館(たきやまかん)」です。

本日4月17日、久しぶりにこちらのお店を訪れたのですが、驚きの変化がありました。
これまでは「うどんと定食のお店」として親しまれてきましたが、今年からなんと定食メニューが姿を消し、「うどんと、こだわり抜いた『うなぎ』」の専門店へと生まれ変わっていたのです。
奇しくも本日は「春の土用」の入り。
季節の節目にふさわしい、贅沢な「めすうなぎ」体験をレポートします。
春の土用に味わう贅沢なひととき
「土用」といえば夏のイメージが強いですが、実は季節の変わり目ごとに年に4回あります。
2026年の春の土用は、まさに今日、4月17日から5月4日まで。
そして今年の「春の土用の丑の日」は、4月21日と5月3日の2回巡ってきます。
夏本番に向けて体力を蓄える夏土用に対し、春土用は冬の間に溜まった疲れを癒やし、活動的な季節へ向けて気力を養う時期。
今回は奮発して、「うな重 松(1匹)2,980円」を頂くことにしました(価格は全て税込)。
- うな重 松(1匹)2,980円
- うな重 竹(半身)1,980円

店内は畳敷きの広々とした空間にテーブルが並び、窓からは外の自然が眺められます。

知る人ぞ知る鰻の聖地、愛知県「豊橋」の魅力
今回頂いた鰻は、愛知県豊橋市にある創業60年以上の老舗「夏目商店」から仕入れられたものです。
実は豊橋市は、明治時代から続く鰻養殖の歴史を持つ、全国有数の産地。
静岡県の浜松が全国的に有名ですが、豊橋も負けてはいません。
奥三河の段戸山の森に源を発する「豊川(とよがわ)」の地下水は非常に清らかで、鰻を育てるのに最適な環境です。
最近では、地域のブランド力を高めるために「豊橋うなぎ」として積極的なアピールも行われています。
希少な「めすうなぎ」:大豆イソフラボンの奇跡
多喜山館が提供する鰻の最大の特徴は、それが「めす(雌)」であるということです。
実は、鰻の世界において「めす」は非常に希少で、かつ美味しいとされています。
しかし、養殖の世界では、普通に育てると9割以上が「おす(雄)」になってしまうという不思議な性質があるのです。
鰻の性別は環境によって決まりますが、夏目商店では、餌に「大豆イソフラボン」を混ぜるという特許技術を用いて、高確率で「めす」に育てることに成功しました。
| 特徴 | おす(一般の養殖鰻) | めす(多喜山館で提供) |
| 成長速度 | 早い | 遅い |
| 身の厚み | 筋肉質で締まっている | ふっくらとしていて厚い |
| 皮の厚さ | 厚めで弾力がある | 薄くて柔らかい |
| 脂ののり | 少なめ | 非常に多く、とろける |
「めす」は成長に時間はかかりますが、その分ゆっくりと良質な脂を蓄えます。
口に入れた時に皮が残る感覚がほとんどなく、身と一緒にふわっと溶けていくような食感は、一度味わうと忘れられません。
実食!「うな重 松(1匹)」2,980円の贅沢
注文して待つことしばし。
運ばれてきたお重の蓋を開けると、タレの香ばしい匂いとともに、黄金色に輝く大きな鰻が姿を現しました。


箸を入れると、その柔らかさに驚きます。
力を入れずとも身がスッと切れ、口に運べば、とろけるような脂の甘みが広がります。

まさに「めす」ならではの、きめ細やかな身質と上品な脂。
皮目まで柔らかく、タレとの一体感が素晴らしい。
ご飯はふっくらとしていましたが、個人的にはもう少し硬めの方が好みかな、と感じる部分もありました。
しかし、鰻自体の圧倒的なクオリティがそれを補って余りある満足感を与えてくれます。
看板メニューの「うどん」
もちろん、看板メニューである「うどん」も健在です。
鰻と一緒に、あるいは鰻が苦手な方でも楽しめるようなメニューが揃っています。
- 鍋焼うどん: 1,100円
- 牛すじつけ汁うどん: 900円
- 牛すじうどん: 900円
- 肉つけ汁うどん: 800円
- 肉うどん: 800円
- (大盛は+100円)
駐車場の脇に「船」? 気になる牡蠣小屋の存在
食後、店舗と道を挟んで向かい側にある駐車場へ戻ると、脇に小型の「船」が置かれているのが目に入りました。

気になってお店の方に伺ったところ、なんとこの船は「牡蠣小屋」として利用されているのだとか!
船内で食事をすることができ、駐車場の奥には川沿いのテラス席も完備されています。

船の中や自然を感じながら食事ができるなんて、なんともユニークな趣向です。
こちらの牡蠣小屋は年中利用可能ですが事前予約が必要とのことです。
さいごに
「うどん・定食屋」から「うどん・うなぎ専門店」への鮮やかな転身。
そこには、愛知・豊橋の伝統と、最新の科学が生んだ「希少なめすうなぎ」を届けたいという、店主の熱い想いが感じられました。
わざわざ青梅の山の方まで足を運ぶ価値、大いにありです。
皆さんも、週末のドライブがてら、特別な「めすうなぎ」を味わいに「多喜山館」を訪れてみてはいかがでしょうか?
店舗情報
- 住所 東京都青梅市小曾木5丁目3074−1
- 電話番号 050-8881-4822
- 営業時間 平日11:00~15:00頃、17:00~19:00、土日祝11:00~15:00頃、17:00~20:00
- 定休日 月曜日
- 駐車場 あり
- ウェブサイト https://www.instagram.com/takiyamaudon/

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