東京都青梅市柚木町に、月に1回ほど週末だけ営業する小さなカフェがあります。
その名は「カフェ ハーク(Cafe Hawk)」。

2026年6月、ログハウス民泊「輪輪(わりん)」の1階にオープンしたカフェで、席数はカウンター4席だけ。営業日も限られているため、予約制で営業しています。
以前からサイフォンで淹れるコーヒーが飲めると聞いて気になっていたお店だったので、営業日に合わせて予約し、訪れてみることにしました。
実際に足を運んでみると、こだわりのサイフォンコーヒーや手作りのランチはもちろん、ご夫妻の温かい人柄や、ゆったりと流れる時間も魅力的なカフェでした。
今回は、実際に訪れて感じたことや、ご主人に伺ったお話を交えながら、カフェ ハークをご紹介します。
ログハウス民泊「輪輪」の入口がカフェの入口
カフェ ハークは、青梅市柚木町の住宅街にあります。
現地へ着いて最初に目に入るのは道路に面した三角屋根の建物です。

私は最初、この建物がお店だと思い、こちらから入るのだろうと思っていました。
ところが入口はここではありません。
道路から見て左側に細い通路があり、そのまま奥へ進んでいくと、突き当たりに玄関が見えてきます。

そこがカフェ ハークと民泊「輪輪」の建物です。

初めて訪れる方は、私と同じように少し迷うかもしれません。
扉を開けると、まず奥様が笑顔で迎えてくださいました。
靴を脱いで廊下を進み、左側にある扉を開けると、カフェスペースがあります。

中ではご主人が迎えてくださり、席へ案内してくださいました。
まるで知人の家へ遊びに来たような、どこか落ち着く雰囲気があります。
宿泊者の食堂から始まったカフェ
店内は木のぬくもりが感じられる落ち着いた空間です。

窓の外には竹林が広がり、席に座ると緑を眺めながらゆっくり過ごすことができます。
この建物は2階が民泊「輪輪」の宿泊スペースになっており、カフェがある1階は、もともと宿泊者が食事をするためのスペースとして改装したそうです。
ご主人にカフェを始めたきっかけを伺うと、こんなお話をしてくださいました。
「最初は、自分がお酒を飲みながらゆっくり過ごせる場所があればいいな、というくらいの気持ちだったんですよ。」
景色の良い窓辺で、のんびりお酒を飲める場所が欲しい。
そんな発想から、この空間づくりが始まったそうです。
その後、民泊を始めるようになり、
「宿泊された方にも食事を楽しんでもらいたい。」
と思うようになったことから、このスペースは宿泊者の食堂として使われるようになりました。
さらに、「宿泊者だけでなく、地域の方にも利用してもらえたら」という思いから、2026年6月にカフェ ハークをオープンしました。
店内でまず目を引くのが、立派な木製カウンターです。

実は、このカウンターはご主人が自ら製作されたものです。
DIYが趣味だというご主人は、製作当時を振り返りながら、
「苦労したことも今では懐かしくて、自分で作ったものはやっぱりかわいいんですよ。」
と話してくださいました。
週末限定ランチは2種類
ランチは週末限定で、メニューは次の2種類です。
- 若狭湾サバの干物定食(1,200円)
- 豚丼(1,200円)
デザートは自家製のレアチーズケーキ(450円)。
ドリンクはランチセット価格で、ホットコーヒーまたは紅茶が350円、アイスコーヒーまたはアイスティーが450円です。
今回は以前から気になっていた若狭湾サバの干物定食と、食後にレアチーズケーキ、ホットコーヒーをお願いしました。
烏骨鶏の茶碗蒸し
料理を待っていると、最初に茶碗蒸しが運ばれてきました。

こちらはランチに付く一品で、烏骨鶏(うこっけい)の卵を使った茶碗蒸しです。
表面には三つ葉が添えられ、見た目も涼しげです。
スプーンを入れると、とてもなめらかな口当たり。
味付けは上品でやさしく、烏骨鶏の卵ならではのまろやかさが感じられました。
メイン料理の前にいただくのにちょうど良い、ほっとする味わいです。
若狭湾サバの干物定食
しばらくすると、お目当ての若狭湾サバの干物定食が運ばれてきました。

お盆の上には、
- 若狭湾サバの干物
- 肉じゃが
- お豆腐
- いんげんの胡麻和え
- プチトマト
- 紫とうもろこし
- 浅漬け
- ご飯
- 味噌汁
と、彩り豊かなおかずが並びます。
一品ずつ丁寧に作られていることが伝わる内容です。
若狭湾サバを選んだ理由
ご主人に「どうして若狭湾のサバなんですか?」と伺うと、故郷のお話を聞かせてくださいました。
ご主人のご実家は京都府北部、丹後地方の近くだそうです。
京都には福井県から京都市内へサバを運んだ「鯖街道」があり、若狭湾のサバは昔から親しまれてきました。
「子どもの頃から食べていて、本当においしかったんです。このおいしさを東京でも味わってもらえたらと思って。」
そんな思いから、この定食が生まれたそうです。
実際にいただいてみると、サバはふっくらと厚みがあり、脂もしっかりとのっています。

皮は香ばしく焼かれていますが、身はやわらかく、箸を入れるとほろりとほぐれます。
これほど肉厚なサバは、都内ではなかなか食べる機会がありません。
ご飯との相性もよく、最後まで飽きずにいただけました。
家庭的なやさしい味付けの副菜
副菜にも、こだわりが感じられました。
肉じゃがは、どこか懐かしさを感じるやさしい味付け。

家庭料理のような温かみがあります。
お豆腐は、青梅市で長く親しまれている原島豆腐店のものを使用しているそうです。

おすすめは、だし醤油をかけていただく食べ方とのこと。少し甘みがあり、だしの旨味を感じるまろやかな味わいで、お豆腐の風味を引き立ててくれます。
また、紫色のとうもろこしも印象的でした。

珍しい見た目に驚きましたが、味は甘みがあり、食べやすいとうもろこしです。
奥様によると、紫色はアントシアニンによるものだそうです。
季節の食材を取り入れているため、副菜の内容は時期によって変わることもあるそうです。
今では珍しくなったサイフォンコーヒー
食後はいよいよ楽しみにしていたサイフォンコーヒーです。
注文すると、奥様が最初にこう聞いてくださいました。
「苦味がお好きですか?それとも酸味がお好きですか?」
今回は苦味のあるコーヒーが好みだったので、ヨーロピアンブレンドをお願いしました。
酸味を楽しみたい方にはグアテマラをおすすめしているそうです。
好みに合わせて豆を選べるのはうれしいですね。
あえてサイフォンにこだわる理由
今ではコーヒー専門店でも、ペーパードリップで提供するお店がほとんどです。
サイフォンで淹れるお店は以前よりずいぶん少なくなりました。
サイフォンは器具の手入れに手間がかかり、一杯ずつ抽出するため効率も決して良いとは言えません。

それでも、ご主人はサイフォンで淹れることにこだわっています。
サイフォンは、コーヒー豆の香りやコクをしっかり引き出せる抽出方法だと考えているからです。
ガラス器具の中でお湯が上下し、コーヒーが抽出されていく様子を眺めている時間も、サイフォンならではの楽しみのひとつ。

カウンター席だからこそ、その様子を間近で見ることができます。
深いコクがありながら後味はすっきり
運ばれてきたコーヒーをひと口飲むと、しっかりとした苦味があります。

それでいて雑味はなく、後味は驚くほどすっきり。
苦味だけが残るのではなく、飲み終えたあとも口の中が心地よく、もう一口飲みたくなる味わいです。
普段飲んでいるドリップコーヒーとは印象が異なり、サイフォンならではのコクの深さを感じました。
この味に慣れてしまうと、普段飲んでいるコーヒーが少し物足りなく感じてしまうかもしれません。
サイフォンコーヒーを目的に訪れる方がいるというのも納得できる一杯でした。
コーヒーとの相性を考えて作られた手作りレアチーズケーキ
食後のコーヒーと一緒にいただいたのは、自家製のレアチーズケーキです。

見た目はシンプルですが、ひと口食べるとムースのようになめらかな口当たりで、後味はとても軽やかです。
ヨーグルトが使われているため、ほどよい酸味があり、レモンの爽やかな風味も感じられます。
ランチを食べたあとでも重たさを感じることはなく、最後までおいしくいただけました。
このレアチーズケーキについて伺うと、奥様が「コーヒーと一緒に食べたときに一番おいしく感じられるように作っているんです」と話してくださいました。
このレアチーズケーキは、サイフォンコーヒーとの相性を考えて作られているそうです。
レアチーズケーキだけがおいしいのではなく、コーヒーを飲みながら食べたときに、お互いの味が引き立つよう、甘さや酸味のバランスを工夫されているとのことでした。
コーヒーとデザートを一緒に楽しんでほしいという奥様の思いが伝わってくる一品でした。
民泊「輪輪」が目指す、ゆっくり過ごせる宿
民泊「輪輪」についてもお話を伺いました。
現在、宿泊予約サイト「Airbnb」などには掲載しておらず、Googleマップを見て問い合わせる方や、口コミで訪れる方が中心だそうです。
「どうやって知ってもらうのがいいのか、まだ模索しているところなんです。」
ご主人はそう話してくださいました。
宿泊予約サイトに掲載すれば、より多くの人に知ってもらえる一方で、ご夫妻だけでは対応しきれなくなる心配もあるそうです。
そのため現在は、大きく宣伝するのではなく、自分たちのペースを大切にしながら運営されています。
食事を終えたあと、ご厚意で同じ建物内にあるログハウス民泊「輪輪」を見学させていただきました。
客室は2部屋あり、各部屋2名まで、最大4名まで宿泊できます。

家族旅行や友人同士で、のんびりと過ごしたい方にも良さそうです。
見学の中で特に印象に残ったのが、ヒノキ風呂です。

浴室へ入るとヒノキの香りが広がり、木のぬくもりが感じられます。
カフェと一緒に楽しみたい周辺散策スポット
カフェ ハークを訪れた際は、周辺を散策してみるのもおすすめです。
徒歩約5分の場所には、作家・吉川英治が晩年を過ごした吉川英治記念館があります。

四季折々の庭園や書斎を見学することができ、落ち着いた時間を過ごせる青梅を代表する文化施設です。
また、少し足を延ばすと愛宕神社があります。

境内へ続く石段は少し長めですが、自然に囲まれた静かな雰囲気が魅力です。春にはツツジの名所としても知られています。
さらにおすすめしたいのが一の滝です。

青龍橋の近くにある案内板から遊歩道を歩いていくと、落差約10メートルの滝を見ることができます。
遊歩道は整備されていて歩きやすく、滝の近くまで行くことができます。
遊歩道をさらに先へ進んで行くと多摩川を見渡せる場所もあり、散策を楽しめます。
ランチの前後に歩いてみると、青梅の自然をより身近に感じられるでしょう。
さいごに:またゆっくり訪れたくなる、小さなカフェ
今回初めてカフェ ハークを訪れましたが、印象に残ったのは料理やコーヒーだけではありませんでした。
ご主人と奥様が少しずつ手をかけながら作り上げてきた空間には、初めて訪れたにもかかわらず、不思議と肩の力が抜けるような居心地の良さがありました。
若狭湾サバの干物定食は、ご主人の故郷の思い出から生まれた一品。
サイフォンコーヒーは、一杯ずつ丁寧に淹れられ、抽出の様子を眺める時間も楽しめます。
そして、奥様がコーヒーとの相性を考えて作り上げたレアチーズケーキは、食後の時間をより豊かなものにしてくれました。
席数は4席だけ。
だからこそ、一人ひとりがゆっくりとした時間を過ごせる場所になっています。
営業日は月に1回程度と限られていますが、青梅で落ち着いた時間を過ごしたい方や、サイフォンコーヒーが好きな方には、ぜひ一度訪れてみてほしいカフェです。
事前にInstagram(@omehawk)で営業日を確認し、DMで予約をしてから足を運んでみてください。
きっと、ご主人と奥様が大切に育てているこの空間の心地よさを感じられると思います。
店舗情報
- 住所 東京都青梅市柚木町1丁目55−6
- 電話番号 080-4775-1556
- 営業時間 11:30~16:00
- 営業日 不定期
- 駐車場 1台
- ウェブサイト https://www.instagram.com/omehawk/

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