【青梅市】ぎん鈴で味わう「登別温泉の黒そば」─真っ黒なそばに込められた物語

青梅

青梅街道を御岳駅前を過ぎて奥多摩方面へ走ると、石垣に囲まれた一角に「ぎん鈴(ぎんすず)」という古民家風の旅館があります。

ぎん鈴の外観を撮影した写真
ぎん鈴の外観

創業90年を超える歴史ある建物で、宿泊のほかに昼食処としても営業しており、北海道のそば粉を使った“黒いそば”が名物です。

ぎん鈴の外観を撮影した写真
ぎん鈴の外観
ぎん鈴の外観を撮影した写真
ぎん鈴の外観

今回は、その「登別温泉の黒そば」を味わいに訪れてみました。

「音威子府そば」から始まった黒そばの物語

もともとこの店の看板は、北海道・音威子府(おといねっぷ)村の真っ黒なお蕎麦「音威子府そば」。

1998年の秋から20年以上にわたり提供されてきましたが、2022年8月に製造元の畠山製麺が廃業となり、音威子府そばの歴史は幕を閉じました。

ぎん鈴でも同年11月に在庫がなくなり、名物の黒いそばはいったん姿を消しました。

音威子府そばのあとを継いだ「富良野・牡丹そば」

その後、ぎん鈴では北海道産のそばを探し続け、2022年11月からは「富良野・牡丹そば」が新たに登場しました。

牡丹そばは北海道富良野産のそば粉を使い、小麦までも北海道産にこだわった一品。

音威子府そばのような黒さはないものの、風味の豊かさとすっきりとした喉ごしが評判だったそうです。

しかし「黒いそば」が好きだった常連客の間では、やはり“あの黒い見た目と香ばしさが懐かしい”という声も多かったようです。

そんな中、2023年に新たな出会いが訪れました。

登別温泉で生まれた新しい「黒そば」

2023年9月、牡丹そばを製造していた北海道登別市の望月製麺所から、新たに「登別温泉の黒そば」が紹介されました。

これは登別温泉の老舗ホテルで提供されている黒そばを、ぎん鈴へも卸してもらえるようになったものです。

二番粉・三番粉を主体にした「挽きぐるみ製法」により、そばの外皮まで一緒に挽くことで自然な黒さを出しているそうです。

着色料を使わず素材そのものの色味で黒く仕上げている点が特徴で、そば粉と小麦はともに北海道産です。

ざる天ぷらそばを実食

今回注文したのは「ざる天ぷらそば」(税込1,700円)。

運ばれてきたお膳には、黒みがかったつややかなそばと、彩り豊かな野菜天ぷらが並びます。

ざる天ぷらそばを撮影した写真
ざる天ぷらそば

そばの色は「真っ黒」というより、濃いグレーに近い落ち着いた黒。

登別温泉の黒そばを撮影した写真
登別温泉の黒そば

麺の普通の太さで、つやがあり、見た目にも食感のよさが伝わります。

ひと口すすってみると、ほどよいコシとつるっとした喉ごし。

香りは控えめながらも、噛むほどにそばの甘みと香ばしさが口に広がります。

モチッとした弾力があり、北海道のそば粉らしい力強さを感じました。

つゆはやや濃いめの関東風で、黒そばの個性をしっかり受け止める味わい。

そばつゆを撮影した写真
そばつゆ

わさびとねぎを少し加えると、全体が引き締まってバランスが良くなります。

野菜たっぷりの天ぷらも魅力

天ぷらはタマネギ、春菊、ナス、サツマイモ、エノキダケ、カボチャ、ピーマンの7種類。

天ぷらを撮影した写真
天ぷら

どれも揚げたてで、衣はサクッと軽く、油っこさを感じません。

そばつゆにくぐらせて食べても美味しく、黒そばとの相性も抜群です。

どこか懐かしい空間で過ごす昼食

食事処は畳敷きの座敷にテーブルが置かれたスタイルで、窓の外には青梅の山あいの景色が広がります。

ぎん鈴の座敷を撮影した写真
ぎん鈴の座敷

静かな空間で、鳥のさえずりを聞きながらそばをすすっていると、時間がゆっくりと流れていくような気分になります。

ぎん鈴の座敷を撮影した写真
ぎん鈴の座敷

店内は昭和の面影を残しており、どこか懐かしく、実家に帰ったような安心感がありました。

お品書き

お品書きを撮影した写真
お品書き
お品書きを撮影した写真
お品書き

「ぎん鈴」で食事をした人の感想を調査!

水出しコーヒーもおいしそうで気になります。

青梅で味わう“北海道の黒そば”

登別温泉の黒そばは、かつての音威子府そばを思い出させつつも、よりなめらかで食べやすい印象でした。

自然な黒さとモチッとした食感が特徴で、奇をてらわず、丁寧に作られた一杯です。

天ぷらも満足度が高く、食後には静かな充足感が残ります。

青梅の自然と昭和レトロな旅館の雰囲気の中で、北海道の味を楽しむ――そんな特別な時間を過ごせました。

黒そばが気になる方は、ぜひ一度足を運んでみてください。

駐車場は少し注意が必要

駐車場はお店の前にありますが、入り口がやや狭め。

道に対して直角に停める形なので、頭から入れるよりもバックで駐車するのがおすすめです。

2台分のスペースがありますが、昼どきは混み合うこともあるので早めの訪問が安心です。

店舗情報

  • 住所 東京都青梅市御岳本町177
  • 電話番号 0428-78-8336
  • 営業時間 10:30~15:00
  • 定休日 不定休
  • 駐車場 あり(2台程度)
  • ウェブサイト なし

コメント

タイトルとURLをコピーしました