長野県東御市に位置する池の平湿原は、標高2,000メートルを超える高原に広がり、四季折々の美しい自然が魅力のトレッキングスポットです。
池の平湿原の最大の特徴は、豊かな高山植物に彩られた風景と、標高が高いため訪れる季節ごとに異なる顔を見せてくれるところにあります。
しかし、近年では湿原の乾燥化が進んでおり、湿地としての本来の姿が失われつつあるという現状があります。
今回は、私が8月11日に訪れた池の平湿原で体験したトレッキングの様子と、その魅力、そして湿原の乾燥化について詳しくお伝えします。
アクセスと駐車場情報
池の平湿原へのアクセスは、湯の丸高峰林道を利用します。
数年前まではこの林道で夏の間、マイカー規制が実施されていたことがありますが、現在は規制が無くなり、池の平駐車場まで車で通行可能です。
駐車場の利用料金は普通車で600円。
この日は日曜日でしたが、12時の時点で100台止められる駐車場の8割が埋まっていました。
トレッキングコースの概要
今回歩いたコースは、池の平駐車場を起点とし、雲上の丘、三方ヶ峰、鏡池を巡る約2時間のコースです。
コースの最初は、雲上の丘を目指して、緩やかなアップダウンが続く尾根道を進みます。
道中、岩がゴロゴロと転がっている箇所が多いため、足元には十分注意が必要です。
トレッキングシューズなど、しっかりした靴を履いていると安心です。
また、標高が高いため、平地に比べて涼しいとはいえ、夏の強い日差しを浴びるとかなり暑く感じます。
そのため、通気性の良いウェアや、汗をかいてもすぐ乾く素材の服装がおすすめです。
雲上の丘までの道中は、ほとんど眺望はききませんでしたが、その代わりに道の両側には様々な高山植物が咲いており、花々を眺めながらのトレッキングは非常に癒されます。
また、トンボが多く飛び交っており、既に秋の気配を感じることができました。
雲上の丘と三方ヶ峰の眺望
雲上の丘に到着すると、池の平湿原を一望できる素晴らしい景色が広がります。
ここからの眺めは、湿原全体を見渡すことができ、自然の雄大さを感じることができます。
さらに進むと、見晴コマクサ園に辿り着きますが、一株だけコマクサの花が残っていました。
その後、三方ヶ峰に向かいました。
三方ヶ峰からは、東御市や上田市の市街地を一望できる絶景が広がります。
池の平湿原の現状
三方ヶ峰を後にして湿原に降りていくと、湿原を渡る風が爽やかでとても心地よかったです。
しかしながら、湿原自体は乾燥化が進んでおり、鏡池付近以外は一面が笹に覆われてしまっていました。
湿原と聞くと尾瀬のような湿地帯をイメージする方も多いかもしれませんが、池の平湿原は現在、ほとんど草原のような状態になってしまっています。
このまま乾燥が進めば、湿原が消滅して森になる日も近いのではないかと感じました。
湿原の乾燥化の原因と影響
湿原の乾燥化は、気候変動や地域の水環境の変化に起因しているとされています。
地球温暖化の影響により降水量や季節ごとの気温の変動が増加している中で、池の平湿原の水分供給が減少し、湿地が次第に乾燥してしまっています。
特にここ数年は夏の暑さが厳しく、湿原の乾燥が進行する一因と考えられます。
湿原が乾燥すると、湿地特有の植物や生態系が影響を受け、湿地の生態系が崩れていく可能性も高くなります。
例えば湿原で見られる湿地植物の減少は、その植物を餌や生息地とする昆虫や小動物の生息域にも影響を及ぼします。
さらに乾燥が進めば湿原が消滅し、最終的には森林へと変わってしまう恐れもあり、池の平湿原ならではの風景や生態系が失われる可能性が高まります。
池の平湿原の木道
湿原内には木道が整備されており、歩きに自信がない人でも安心して歩けるようになっています。
特にグリーン広場から駐車場までの区間には、昨年設置されたばかりの新しい木道が続いており、快適に歩くことができました。
池の平湿原は入笠湿原より標高が高いのか
— izumisuki (@kanmurizuru) October 7, 2024
寒いから紅葉🍁も草紅葉も黄葉も、、、
全部木道になり楽ちんです#イマソラ_イマハナ_池の平湿原_東御市_長野県 pic.twitter.com/hWWOP0258L
木道だけを歩くのなら、普段着でのお手軽ハイキングができますよ。
さいごに
今回は私の膝痛のリハビリも兼ねてのトレッキングでしたが、高山植物に囲まれた自然の中での時間は本当に癒しのひとときでした。
しかし、乾燥化が進んだ湿原の姿には少し寂しさも感じました。
これからもこの美しい自然が保たれることを願いながら、また訪れる日を楽しみにしています。
池の平湿原は、初心者が楽しめるコースが揃っており、訪れる価値のある場所です。
ぜひ皆さんも、池の平湿原の美しい自然を体感してみてください。
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